旧GMATからGMAT Focus Edition移行時期に、Focus Editionを受験しました。ちなみに数学(Quantitative Reasoning)のスコアは79点でした。決して高い点数ではありませんが、平均を超えるまでの下地作りと、高得点を取るために何が必要と感じたかをまとめます。なお、この記事はData InsightsとVerbal Reasoningの対策は含みませんのでご注意ください。
旧形式からの変更点
Qunatitativeの旧形式との変更点をまとめると、以下のようになります。
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- 試験時間が45分、問題数21問
- 問題はProblem Solvingのみ
- 図形問題の廃止(座標、数直線は残る)
問題内容は図形の廃止以外大きく変わらないものの、今まで数学対策で有名であった参考書、通称「マスアカ」の使用方法などを変更する必要があります。それについては後述します。
基礎固め、「マスアカ」とは?
マスアカとは、以下のような参考書です。

インターナショナルマスアカデミーというところでウェブから直接購入する形の参考書です。2023年度版よりGMAT Focus Editionに対応した新たなパックも販売されているようですが、価格が4万円超と高価ですし、基礎固めに用いるのがメインなので、メルカリなどで旧版の購入をお勧めします。どの年度のものでも基礎は変わらないと思います。
ジェイマスとマスアカ
マスアカを新品で購入する場合、同じくらいの価格帯の教材として、ジェイマスが挙げられます。これについては、ジェイマスを使用した方のレビューを探すしかなさそうですね。私がサンプルを取り寄せてみた感じ、中身の手作り感はマスアカと同等かそれよりマシ程度で、素晴らしく見やすい最近の資格系参考書には劣ります。
Quant対策手順
それでは順を追って対策方法を見ていきましょう。基本は以下の順番で、マスアカとGMAT Toolkit、公式Prep1, 2をメインに使います。
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- 数学系の単語を覚える
- 公式Prep 1を試しに解く
- マスアカを3周
- 公式Prep 1を腕試しに解く
- GMAT Toolkit アプリで難問対策をする
- 試験直前に公式Prep 1, 2を解く
①まずは単語を覚える
旧版のマスアカの場合、「GMAT Math Strategy Handbook」の方の2章に、数学で必要となる単語一覧が出てきます。まずはこれを覚えましょう。覚えないことには始まりません。
WordHolicというアプリを使うとcsvファイルの取り込みができて、パソコンで編集しやすいので便利です。
単語帳はわからない単語に遭遇するたび追加していきましょう。マスアカの単語に加え、私が追加していって作った単語帳ファイルをここに置いておきます。よかったら使ってください。再配布はご遠慮ください。
②公式無料Prepで本番を体感
さて、単語を覚えただけですが、ここで本番の形式を体験しておいてください。まだ早いよ、自信ない…という方こそ、初めの段階で模試を受けておくのがおすすめです。ボロボロの点数を取ると思いますが、気にしません。
ここで大事なのは、本番でどういう問われ方をするのか、全体像を掴むことです。その後の勉強のモチベーションになります。ちなみに本番の試験は、公式Prepと同じシステムで、パソコン上で行われます。システムの操作方法などの把握も大事です。
公式無料Prep 1, 2はここから「GMAT Official Starter Kit」という名前で入手できます。
ちなみに、解き終えたら予想スコアのみ確認して、答え合わせはしないでください。何度Prepをこなしても、毎度新鮮に解くことができます。ちなみにコンピューターアジャステッドの試験なので前回間違えた問題に正解すると、前回お目にかかれなかった問題が出現します。
③旧版のマスアカをFocus Edition用に使う方法
それでは問題を解いていく準備ができました。ここでは中古で安くゲットできる旧形式のマスアカを用いて、Focus Edition対策をする方法を紹介します。
まずは2冊のマスアカの目次をご覧ください。
このようになっています。Strategy Handbookの4章・7章、通信講座の1章・4章の一部は、Data Insightsの科目に移動になったData Sufficiencyという問題形式です。Quant対策には必要ありません。
また、通信講座の3章は図形について扱っていますが、これはGMATで扱われなくなったため丸々飛ばしてかまいません。
進め方は、Strategy Handbook→通信講座の順で、練習問題を解いていってください。分からない問題は×、一発で解けた問題は◯をつけておきます。2冊とも1周目が終わったら×の問題だけ2周目、2周目でも×がついた問題だけ3周目、とこなします。できれば全部1回は◯がついた状態を目指します。
分からない単語や覚えるべき解法が出てきたら適宜暗記帳に追加していきましょう。スキマ時間に繰り返し見直すのがおすすめです。
④公式Prep 1を腕試しに解く
②で解いたPrep 1ですが、答え合わせをしていなければ再度腕試しに使えます。マスアカを終えた時点で、自分のレベルがどんなものか確認してください。ボロボロだったら(おそらくマスアカレベルを終えた段階ではそうでしょうが、)次の難問対策の原動力にします。
⑤GMAT Toolkit アプリで難問対策をする
GMAT Toolkitアプリは、iOS系の端末で利用できる、有料のGMAT問題集です。KaplanやManhattanといった、海外の有名なGMAT教材の模擬問題を大量に解くことができます。私が購入したときは3,000円くらいでした。また、iPhoneやiPadを持っていない方は、GMAT Toolkitのウェブ版を利用できたはず…
すみません、そこはあまり詳しくないので他の方の記事を参考にしてください。
アプリを開き、Practice > Filter > で、どの会社の問題集を解くか・どの科目の問題を解くかを選択できます。とりあえず、上の画像のようにKaplan, Manhattan Prep, Manhattan Reviewあたりは定番です。PSにチェックを入れると、Problem Solvingの問題のみ表示させることができます。旧科目区分なので、図形の問題がでてきたら飛ばしましょう。
その後、Practiceの画面に戻ってStartを押すと、問題が始まります。難しい問題はBookmarkしたりして、あとで見返すことができます。各問題2分程度で解けるように、間違えた問題も含めて何周もしていきます。途中、覚えるべき解法が出てきたら、単語帳アプリなどにメモして暗記しましょう。
⑥試験直前に公式Prep 1, 2を解く
試験前日や前々日など、時間を確保して公式Prep 1と2を解きます。時間がなければ2だけ解きましょう。本番の感覚をつかみ、テストに臨みます。今後無料Prepを使うつもりがなければ、間違えた問題の答えを見て、理解してから何も見ずに再度解く、といった復習をします。
高得点を取るのに必要なこと
これは、ギリギリ平均を超えた程度の点数を取ったからこそ、今後の反省点として書けることかもしれません。
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- 十分な勉強期間を確保する(2か月以上)
- 緊張でうまく点が取れなかった時用に予備日を確保する
- とにかく難問を大量に・繰り返し解く(&解法暗記)
私は大学院入試でGMATのQuantのスコアだけ必要になりましたが、他にも提出論文を用意したり、研究計画書に時間を取られたり、振るわなかったTOEFLの受けなおしなどいろいろと時間を取られました。結果、5週間でGMATの対策をすることに。出願日の関係で、一回の受験後に再度時間を空けて(最低でも最後の受験から再受験まで16日は開ける必要がある)受ける余裕もありませんでした。
当日は緊張もあり、最初の問題は解法を知っているはずなのになかなか思い出せず、時間をかけてしまいました。最後に見直したときに修正して正解しましたが、コンピューターで難易度が調整されるGMATにおいて、最初の方の問題で間違えることは、その後に登場する問題のレベルを下げ、高スコアが取りにくくなる要因となります。
反省点としては、勉強期間が短かったこと、難問の解法が緊張していてもすぐに出てくるほど解き慣れていなかったこと、試験の予備日を準備していなかったことだと思います。皆さんは、私の失敗を踏まえればQuantで80点台は夢ではないと思われますので、頑張ってください。
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